注意事項

※素人の戯言なので観賞本数増えるごとに点数は微調しています。悪しからず。

2014年11月22日土曜日

映画『インターステラー』86点


2014年11月22日観賞。

8月の『GODZILLA ゴジラ』(55点)以来の劇場観賞作品。

この間、もちろん見に行きたい作品はたくさんあったが、
そうともいかない会社員の性で3ヶ月ぶりの劇場観賞となってしまった。


とはいえ、3ヶ月ぶりに会社員の性に抗ってまで観賞しようと心に決めた作品。
それはもちろんクリストファー・ノーラン作品だからであって、
それ以外の理由は見当たらない。


さて、そんな期待のノーランが手がけた最新作は、
「これぞノーラン!もうお腹いっぱいです!」という、
まさに彼のドヤ顔が目に浮かんで離れないほど彼の世界観、思想、
そしてSF映画はゼログラビティが最高だと思うなよお前ら、
最新の宇宙理論を使えば映画でこんな使い方が出来るんだぞ!
というテクニックとアイディアがこれでもか!と凝縮された169分だった。
ダークナイトが最高傑作だなんて言わせないぜ!
ってほどのドヤ顔が浮かぶ作品でした























言いたいことはたくさんありそうで無い映画なんだけど、
とりあえず感想を端的にまとめてみると

●相変わらずマシュー・マコノヒーは抜群

●『ゼロ・グラビティ』後のSF映画として圧倒的な独自性を放っている

●学者と一緒に隙の無い最新宇宙理論盛り込んでますよ感の凄さ

●と思ったら、エンディングに向けて急にメルヘンチックに

●地球と宇宙と過去未来とグチャグチャになりそうな構成をまとめる脚本力

●映像も凄いけど何よりも音楽が素晴らしい

●インセプション感

●結局「愛は時空を超える」

●正直ちょっと長い


こんな所でしょうか。
以上の点を、いくつか詳細に紐解いてみると・・・


俳優陣の分厚さは相当なモノで、予想外のタイミングで出てきた
マッドデイモンのウザさって言ったらこの上なかったけど、
何よりもMVPはマシュー・マコノヒー。
アン・ハサウェイはラストシーンの悲しげな顔がベストだった

















一瞬冷静になると「何やってんのコイツら?」的な映画になりかねない
ギリギリのラインをせめぎ合うこの映画は、彼の演技力無しには語れない。


また、『ゼロ・グラビティ』という映画界における
現代技術を結集したSF映画の登場によって、
「ゼロ・グラビティ前」・「ゼロ・グラビティ後」という基軸すら出来上がっている昨今、
同じSFモノでも全くもって似て非なる世界観、テーマ設定、物語を
169分作り上げた手腕はさすがと言わざるを得ない。


その独自性を支えるのは、インセプションなどにも色濃く反映される
「時空」「次元」などの物理学的、哲学的要素だ。
地味に良い味出してたジェシカ・チャスティン
『ゼロ・ダークサーティー』のあの人。


















実際、この映画には、理論物理学者のキップ・ソーンが
科学コンサルタント兼製作総指揮として参加しており、
嘘つかれたってどうせ我々には全く分かりませんし、
疑うつもりはありません的な、アインシュタイン顔負けの宇宙専門用語が飛び交う。


まぁ正直何が何だか雰囲気でしか分からないまま物語は進むのだけど、
それなりに説得力はあるし、「こっちの時空に行くと1時間が7年」とか、
別の銀河系へ!太陽系サヨナラ!とか、
今までのSFモノには無い要素で映画全体が構築されているので、
「あ~これはお決まりのこのパターンね」的な先読み着地点も無い。

そして中盤を過ぎた当たりから加速度的に物語は盛り上がりを見せ、
観賞者がトイレに行く隙を与えない。
恐ろしいほどリアルだった宇宙のどこかにある「水」のある惑星
実際はアイルランドらしい















その隙の無い引き込まれる演出の核は映像では無く、音楽にある。
それを手がけたのは『バットマン』三部作も担当したハンス・ジマー。

特筆すべきは「無音」の散りばめ方だ。
『ゼログラビティ』でも「無音」の演出方法はあったが、
この映画の無音の使い方は、
圧倒的な緊張感と独特の世界観を形成していて、観賞者の心を奪う。


そんな隙の無い大作は、大作と呼ぶにふさわしく、様々な顔を見せる。

ガチガチに理論武装しているかと思いきや、
終盤にかけて急速にメルヘンチックなお話にオチが向かっていくのだ。

ネタバレになるので詳細は避けるが、
一言で言えば「愛は時空を超える」。それに尽きる。
親子愛は人類愛を超える。そして時空も超える。
















ここら辺が賛否両論別れるところだと思うが、
ロジックで攻めに攻めに攻めてきたくせに急に情緒で攻めてきたなノーラン!
っていうツンデレ的な効果で評価するか、急に説得力無くなったよ!と
突き放してしまうか、難しいところ。


個人的な意見では後者に近いのだけれど、
これはあくまでもフィクションという名の「映画」だし、
「映画」は、エンターテイメントという要素が評価基準として欠かせないモノだと
思っているので、そういう意味でメルヘンチックなエンディングも
作品トータルで見たときに金太郎アメ的な総合力を上げる要素として加点した。


監督、役者、脚本、映像、編集、全てにおいてオリジナリティ、エンタメ性など
高いレベルで散りばめられていると言うことで、
現状2014年度ベストの得点を獲得した作品となった。
※ちなみに現状2位は『ディス・コネクト』(85点)

ただ、この映画はわりとクセが強いというか、
そもそも長いし、よくわかんないし、って要素が無くも無いので、
単純に映画を軽い気持ちで楽しみたいというカップル系にはお薦めしません。







2014年11月17日月曜日

映画『SOMEWHERE』77点



2010年のヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞作。
DVD観賞。

ソフィア・コッポラ監督自身の幼少時代の思い出から
着想を得た映画らしいが、秀作。
今回も終始洒落た演出を見せたコッポラ
















近作の『ブリングリング』(75点)より質が高い。

その所以は、
彼女の作品の真骨頂でもある「メタファー」が、
より高度に、かつ存分に発揮されている点。


特に印象深いシーンは、冒頭数分間、定点カメラで
主人公である売れっ子俳優が自家用車の高級スポーツカーで
ただひたすらに同じコースを回り続ける様子をおさめたシーン。

これがタダひたすらに長い。ホントに長い。

最初何のこっちゃと思うが、実はこのシーンこそ、この映画の神髄。















これは彼のルーティン化された退屈で空虚な日常を
メタファーを用いて表現したものだと思われるが、

その行き着く先は、エンディングにおける
メタファー的な彼のドライビングシーンで完成される。

ネタバレって程では無いが、コッポラのドヤ顔が目に浮かぶほど
オープニングとは美しく対照的なエンディングにご注目。



そしてこの映画の魅力をさらに高めているのが、
ダコタファニングの妹、エルファニング。可愛い。
そして抑圧された演技も素晴らしい。















そして何よりも、全く作風の違うタランティーノが
審査員長として絶賛して、金獅子賞を与えたらしくて逆に彼を見直した。

映画『ありえないほど近くて、ものすごくうるさい』78点





DVD観賞。良作。

オスカー役の子供が素人とは思えない愛すべき怪演。
サンドラブロック、トムハンクスというハリウッドを代表する
二大俳優の存在感すらも凌ぐ、彼だけでも見る価値のある映画だ。

そして彼の良さをさらに増長させる音楽が最高に良い。

個人的にはラストシーンが印象的。
オスカーが会った人達に手紙を書いて朗読するシーン。泣ける。

「何もないより失望した方がずっと良い」
こんなこと言える子供はもやは子供では無いけど、しびれる台詞でした。
観て損はしない、正に良作。

映画『サベイランス』50点



デビットリンチの娘の超不条理映画。DVDで観賞。

あらすじ
FBI捜査官のエリザベス(ジュリア・オーモンド)と
サム(ビル・プルマン)は、サンタフェの田舎町で起きた
連続殺人事件の捜査に乗り出す。
殺人現場に居合わせた3人の目撃者に事情聴取を開始するが、
3人の証言はそれぞれ微妙に食い違い、不可解な事件は謎を深めていく。
そんな中、思いもしなかった犯人像が浮かび上がってきて……。


ラストの展開は予想外で批判が多かったらしいけど、
僕は嫌いじゃ無いです。ただ圧倒的に不快ですけど。

しかしまぁ、「リンチの娘」というレッテル&高すぎるハードルを
超えていきたいという意思を映画で表現するには、
こういう脚本しか無いのかな、みたいな哀愁すら感じる。