注意事項

※素人の戯言なので観賞本数増えるごとに点数は微調しています。悪しからず。

2014年4月28日月曜日

映画『アナと雪の女王』60点



2014年4月27日観賞。


ディズニー映画って映画館で観ることほとんどなかったけど、
これだけ大ヒットしてたら観なきゃってことで字幕版を観賞。


伊集院光氏が「毒にも薬にもならない映画」と評して
賛否両論渦巻いていたけども、
個人的には、その表現に大きく頷ける。


圧倒的にいい映画でも無いし、圧倒的にダメな映画でも無いし、
かといって「超大ヒット映画」というハードルを、
しっかりと越えてきたわけでもないし、全く越えられなかったわけでも無い。
良くも悪くも無い。

というか、そもそもこの類いの映画には否定する要素が見当たらない。
そりゃそうだ、夢と希望のディズニー映画なんだから。


ってことでやっぱり「毒にも薬にもならない」は、正しい表現。


この映画を大絶賛する人も信じられないけど、
完全否定する人も信じられない、そんな映画。


とはいえ、評判通り歌は素晴らしかったし、
思わず帰宅してからサントラを何曲かダウンロードしてしまったけど、


個人的なこの映画のハイライトはそこではない。














むかつく王子を正面からストレートパンチでぶん殴るという
ディズニー史上最もパワフルなヒロイン主人公の誕生は、
まさに現代社会における女性のあり方を物語っていて、
主題歌よりも圧倒的に印象的だった。


そしてただ一つだけ批判に近いことを申し上げるならば、
公式HPにもある~「真実の愛」を描いた~は納得いかない。

真実の愛は『ブルーバレンタイン』のように残酷なのだ。

2014年4月24日木曜日

映画『LIFE!』60点


2014年4月23日観賞。



「この映画の主役は、あなたです」

というキャッチコピーのこの映画。


出版社に勤める妄想癖のある冴えない主人公サラリーマンが
表紙を飾るはずのネガを無くしてしまい大ピンチに。
ネガを探すため、写真家のショーンを探す旅に出るというお話。


要するに、「普通の男」が勇気を出して一歩踏み出し、
その勇気によって充実した人生を送ることが出来るという話。


という啓発系のポジティブ映画であることから、わりと評判も高く、
期待してみてみたけど、個人的にはあまりハマりませんでした。


もちろんストーリーそのものは特に否定する要素はない良い話だし、
映像も綺麗だし、音楽も非常にマッチしていて悪い映画とは思わない。










だけど逆に言ってしまえば、それだけ。


「それだけ」っていうのはつまり、主人公に特に感情移入が出来なかった。
僕はこの映画の主役には、なれなかったわけだ。


なぜなれなかったのか少し考えてみたんだけど、
偏重気味のフィクション的な見方になってしまうが、
この映画の主人公が最初から特に不幸に見えなかったからだと思う。


フィクションの定石として、
徹底的に不幸で、ダメで、周囲からもののしられたり、
追い込まれたりする主人公が、何かをキッカケにして激変して、
馬鹿にしてきた奴らをなぎ倒していくという構成がある。


人間っていうのは単純で、この定石を様々な物語に置き換えた
フィクションにカタルシスを覚えるわけだが、
この映画は、そのカタルシスが緩い。というか弱い。


さほど不幸では無い「普通」の男(そもそも普通って何?って話だけど)が、
勇気を出して冒険に行くと、急にスーパーマン的に事が進んでいく。

この「普通」から「スーパーマン」への振り幅が
大きければ大きいほど人は興奮したり、よし!いいぞ!やってやれ!
と感情移入すると思うんだけど、この映画にはその半沢直樹的要素が無い。


だから僕は劇場で終始、
「そこそこ美しい絵画を何枚か観ている」程度の感情起伏しか起きなかった。

「そんな自分は素直じゃないんですかね?」なんて自問自答しながら。





2014年4月18日金曜日

映画『ローン・サバイバー』78点


2014年4月17日観賞。


久しぶりに一人映画したけど、良い映画だった。
先に言ってしまえば、この映画の中核となる戦闘シーンは、
『プライベートライアン』のそれに匹敵する
戦争映画史に残るハイレベルな緊迫と絶望を
完璧に表現しきった映像美だった。



さて、そんなローン・サバイバーだがWikiによれば・・・

アメリカが誇る精鋭特殊部隊ネイビー・シールズによる
アフガニスタンにおけるターリバーン指導者暗殺作戦中に起きた、
ネイビー・シールズ史上最大の悲劇といわれるレッド・ウィング作戦を、
実際に作戦に参加し、ただ一人奇跡の生還を果たした
元隊員マーカス・ラトレルの手記
『アフガン、たった一人の生還』を原作に映画化。



ネイビーシールズと言えば、つい最近DVD化もされた
キャプテン・フィリップス(82点)』でも大活躍した
超最強精鋭部隊である。


なにがどう超精鋭かというと、
訓練期間中に85%が脱落するという過酷な訓練を乗り越えた
まさに「最強」という言葉がふさわしい男達の集まりなのだ。

ちなみにその「過酷」っぷりは映画冒頭で
実際の映像を交えて紹介されていて、一番引いたのは
両手両足を縛られたままプールに突き落とされる訓練。

もはや訓練なのか拷問なのか意味不明だが、
そんな地獄のような試練を乗り越えた精鋭部隊。
ラストで実際の4人の写真が出てくるが、皆似ていた











ところがどっこい、最強の4人がタリバンにフルボッコにされる。
本当に為す術無く、徹底的に劣勢に追い込まれる。

血だらけで体中傷だらけでボロボロ













200対4なんだから、そりゃいくら最強だろうと
そうなるが自然の道理ってことなんだけど、
この映画の真骨頂がここに凝縮されている。

アクション映画お決まりの、

いくら敵が主人公に向けて銃を乱射しようとも
なぜお前には銃弾が1発も当たらないんだ?

ダイハードのマクレーン警部 この人は絶対に被弾しない

















ミスター不死身 ジャックバウワー
被弾はするけど絶対に急所は撃たれない

















そんなフィクション的甘えを一切許さないのが戦場。
というわけで最強の4人は被弾しまくる。
体中が穴だらけになる。
タリバンは容赦しない。
銃撃にとどまらず、バズーカ砲だって連発してくる。
殺しても殺しても出てくるタリバン











普段「どうせ死なないだろ」と安心してみていられる
アクション映画とは一線を画するノンフィクションが
そこにはあるわけで、彼らは「簡単に」被弾し、
あっという間に絶望的に追い込まれていく。

そして個人的にこの映画におけるベストシーンは、
追い詰められた4人が断崖絶壁の崖から飛び降りるシーン。

飛び降りるって言うか、もはや転げ落ちるだけなんだけど、
逃げ道がなさ過ぎて、選択肢が親ライオンが子ライオンを
崖から突き落とす的な崖から飛び降りるしか無いのだ。
なぜならタリバンは逃げても逃げても追ってくるから。

これだけの崖から落ちて逃げたら流石にもう追ってこないだろ
何て思っていたとたんにまたもや銃弾の雨あられが襲いかかる。
そんな絶望的状況がこれでもかというくらいにリアルに描かれながら
数十分以上続くのだから、緊張感は一切途切れることは無い。
そこにはアクション映画にある爽快感は全く存在しない。


そしてもう一つこの映画の重要なテーマ。
それはマイケル・サンデル顔負けの究極の選択的道徳授業。


何かというと、タリバンの幹部が潜んでいるとされる街を
雑木林の中から偵察していた四人だったが、
そこで運悪く地元の山羊飼いに遭遇してしまう。













四人は山羊飼いたちを縛り上げた後、彼らは悩む。
目の前にいる地元民をどうするべきか。
というわけで、上官に指示を仰ごうと無線を手にするが、
こういう時に限って通信状況が悪くて一切連絡は取れない。

さて、ここでどんな道徳の授業が開始されるかというと、


①罪なき地元民を解放
罪の無い人間を傷つけることは倫理的にも国際法的にも許されない
しかし解放すれば4人の存在をタリバンに通報する可能性大
つまり、自分たちの命が危険にさらされる危険性大


②地元民を縛り付けたまま放置
凍死したり狼に食われてしまうかもしれない=殺すことと同義

③地元民を殺害
結果的に自分たちの命を守るための「正当防衛」
しかし罪なき民を殺害した米軍は世界中から非難される


ここで4人がどんな結論を下したかは、
予告動画を見れば明らかであるが、
3つの選択肢、どれが正解だとか討論するつもりもないし、
道徳授業なんてクソ食らえだし、正解なんてどうだって良い。

そもそもこんな選択を強いられなければいけない状況が
現実世界に「実話」として存在し、結果的に相当数の人間が
この「選択」によって犠牲になっているという狂った現実がある。

そんな現実をこの映画はたたみかけるように教えてくれる。



そして、タリバンの圧倒的な破壊力の前に
「なぜ一人だけが生き残ることが出来たのか?」
















この答えは、意外すぎるというか、信じられないものであった。

映画を観ていて、「は?こんなのあり得ないでしょ!」と、
急にフィクションを見せられているような、
危うく完全に冷めてしまいそうになるくらいに「あり得ない」理由。

その理由はぜひ映画を観て確かめて欲しい。
しかし確かめたとしても、それでも信じがたいくらいに「あり得ない」
そのわけを池上彰氏がさすがの解説で紐解いてくれているので、
是非、観賞後に読んでみて欲しい。


そんな良い映画であることは間違いないのだが、
80点に及ばなかった理由は、
最後救出されるまでの流れが「あり得ない理由」抜きにしても
美しすぎるし、タイミングが良すぎるし、よく出来て良すぎるから。

あれも実話なら間違いなく80点超えだけど、
アメリカ軍のヘリが来るタイミングとか
絶対にフィクションでしかあり得ないタイミングだったから。
ノンフィクションだったら謝ります。