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※素人の戯言なので観賞本数増えるごとに点数は微調しています。悪しからず。

2013年1月30日水曜日

映画『ハンガーゲーム』35点



そんなこと無いとは思うんだけど、
この映画をアメリカ人が『バトルロワイヤル』を知らずに、どや顔で制作していたのなら
由々しき問題だが、そんなことは無いと願う。

それにしても、どうしたハリウッド!

大枠のコンセプトは、バトルロワイヤルと一緒だ。
12の各地区から男女1名ずつ、計24名が1名しか生き残れない
「殺し合い=ハンガーゲーム」に、理不尽極まりない理由で参加させられる。

バトルロワイヤルより遙かに理不尽なのは、
運営側の意味わかんない近未来的な格好したやつらが、
森を急に燃やしたと思ったら、すぐに再生させたり、
ばかでかいドーベルマンを無数にワンクリックで発生させたり、という
こういう映画の設定で非常に重要な、
ガチサバイバル感を削がれる余計なことばっかりすること。

そして同じような大量殺人系で昨今話題になった
「悪の教典」にも共通して言えることなんだけど、
こういうとにかく理由もなく殺し合いをしたり、殺したりする話の場合、
大量の登場人物にしっかりとしたキャラ、背景、
みたいなものがないと、見てるこっちが辟易としてしまう。

誰が好きこのんで、ただただ人間の殺し合いを見たいと思うんだろう。

「悪の教典」は映画の方は見てないけど、
小説の方の終盤なんてひどいもんだ。
カリスマ教師ハスミンがとにかく生徒を殺しまくる。
自分の邪魔になるってシンプルな理由って言う体なんだけど、
そこに納得感なんて微塵も感じられない。まさに狂気の沙汰だ。
ネガティブキャンペーンならぬ、ネガティブマーケティングだろうと、
大島優子氏が「もう見ない!」なんてシャウトするのにも合点がいく。


バトルロワイヤルがその点で言えば秀作だったのは、
そこに出てくるクラスメイト達のほとんどに、
しっかりとしたキャラ付けをしたことだ。

これもまた映画は見ていないけど、
これによって読者はそれぞれのキャラにその都度感情を移行し、
ドキドキはらはら、時には応援、時には悲観、
そうやって理不尽な殺人ゲームという、
道徳的に許されない物語をギリギリのラインで楽しむことが出来た。

話がそれたけど、ハンガーゲームにはそういうキャラ付けが
主人公の女の子にしか無いから、どうも薄っぺらい、単調な映画に見える。

かろうじて良かったのは、子供達の殺し合いという
最低最悪のモチーフにも関わらず、
実際グロテスクな殺人シーンがほとんど無いことだ。
殺人サバイバルゲームなのに、これを良いと言っていいのか不明だが。

前半40分くらいのたるすぎる主人公紹介の尺があるなら、
参加する24人の背景を少しずつでも良いから描いた方が、
まだ良かったんじゃ無いか。

ホラー好きの人が見ても、
バトルロワイヤル好きが見ても、
映画好きが見ても、
誰もが消化不良で終わる駄作と言えばそれまでの映画でした。

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